許されざる想い
この想いは許されざるもの。
過去の記憶が――…忘れてた記憶を取り戻せたことは良かった。
でも、同時に理解せざるを得なかった事実は零と共に居られないこと。
純血種を憎む零――
そんな彼の傍に私はもう居られない…
だって私は純血種のヴァンパイアだった…それもおにいさまと同じ玖蘭の血を引く…
だからこそ、この想いは封印しなければ…忘れなければならないもの。
元人間のヴァンパイアと純血種のヴァンパイア…
共に手を取り合って生きていくなんて出来はしない。
たとえ同じヴァンパイアでも…純血種とでは生きる時間が、あまりにも違いすぎる。
もちろん、貴族階級のヴァンパイアと純血種とでも、生きる時間の長さは圧倒的に違う。
だからこそ、純血種は純血種同士で寄り添いあうのが最良……
そこに、純血種の血を絶やさないため…と言う理由が有るならば、選択肢なんて初めからない…―――
それに私は、おにいさまと同じ長い長い時間を一緒に生きると決めた。
―――忘れなければ。おにいさまと零と自分のために。
それでも、今だけ…これで最後にするから貴方を想って涙を流すことを許して。
ごめんね…零…―――
もう一緒に居られないし、歩む道も時間も違うけど、零と一緒に過ごした日々は私にとって決して偽りでない。
確かに存在した思い出。
大切に胸の奥にしまって、私は新しい一歩を踏み出す――
「優姫…そろそろ行こうか」
「はい、おにいさま」
私はおにいさまに手を引かれながら、思い出が沢山詰まった学園を去った。
―――さようなら…零。
*end*