る、まで発音できない
零のところに泊まって一晩。
考えてみた。自分自身のこと、零のこと、おにいさまのこと。
でも確かな答えは導き出せない。ただ、受け入れるしかないのかな。
本当の意味でのヴァンパイアと人間の共存ってなんだろう…
何でヴァンパイアと人間は一緒に居られないんだろう…
何でヴァンパイアは血を求めるの?それも、愛しいひとの血を…。
それがヴァンパイアの愛情表現だから?
どうして身を焦がれるように求める相手が、おにいさまなのだろう。
近しい人の血を欲し、愛情を欲すのは…好きだから?
でも人間の私が抵抗する。
人間の兄妹のように、普通の兄妹だったら良かったのだろうか。
ううん…たとえ私は人間の兄妹だとしてもきっとおにいさまを好きになったかもしれない。
離れれば離れる程に身体が心がおにいさまを深く求めようとしているのが分かる。
「おにいさま…好きっ…貴方を…私は……愛して……っ」
はらり涙が溢れた。
『愛してる』
たったそれだけなのに。
私は最後まで言えなかった。
おにいさまは此処に居ないから口にするのを躊躇しなくても良いのに…
練習だとしても
言えなかった。
零が居るから?
*****
朝方、零は黒主学園へ向かう。学校へは行ってるんだ…。
「泊めてくれてありがとう」
「あ、ああ…」
「じゃあね…零」
お礼を言ってから私は零とは正反対の方向に向かって歩き出した。
零から貰った血液錠剤のおかげで喉のかわきは
一時的には凌げたものの、所詮は紛い物の血。
味気ない…。
おにいさまの血がほしい…
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