外は陽射しが眩しいくらい
ジリジリと身に降りかかる太陽の光。
つい一年ほど前までは何とも無かったものだけど、今の私はヴァンパイア。
降り注ぐ陽光に顔を歪めた。
玖蘭邸におにいさまと戻ってからというものの
屋敷の外へ出られなかったから、光の眩しさを忘れていた…
私はもう人間じゃない。
嫌でも気づかされるのは、ヴァンパイアなら誰しもあるだろう吸血衝動。
おにいさまは、私に血液錠剤を絶対に渡してくださらなかった。
私が摂取する血はいつも本物…。おにいさまの血だけ。
だから私は血液錠剤なんてもってる訳がない。
考えもなしにたいして荷物を持たずに飛び出して来てしまったことを
今更ながらに悔やんでも遅い。
早く…
人がいない場所へ行かなくては。
じきに襲うであろう強烈な飢え。ひどく喉がかわく。
ここで本能に身を任せ、血を啜るなんて出来ない。
だって私はヴァンパイアはヴァンパイアでも純血のヴァンパイア。
純血のヴァンパイアが血を啜った人間はヴァンパイアの身に堕ちてしまう。自分が許せなくなる。
しちゃいけない。
回避するためにも
何処かで血液錠剤を……。
そう思いながら一歩一歩と、霞みそうになる視界のなか街中を歩く。
*****
「……はっ……ぁ……」
何とか人の寄り付かぬ場所までは来れた。
しかし…
安心出来ない。
「……何で…こんな時にっ」
目の前にうつるのは、理性を失った元人間のヴァンパイア。
私が純血種だと分かるのか、一定の距離を保ったまま
それ以上は近づいて来ないものの野放しには出来ない。
この場は、やり過ごせてレベル:Eを退けたとしよう。
次にレベル:Eが狙うのは、きっと人間。血を求め街に入り込むはず。
狩るしかない。
だけど、どうやって?
学園を出る際に対ヴァンパイア用の武器である
狩の女神は置いてきてしまったから持ってるはずもない。
止める手立てがない。
それでも止めなきゃと思ったとき…
「ウ……アッ……アアっーー」
目の前のレベル:Eが断末魔をあげて跡形もなく灰と化す。
振り向いた場所に居たのは、もう会うこともないと思ってた彼。
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