誇り高き血筋
枢センパイによって私は、失われた記憶を取り戻し自分がヴァンパイアだったことも思い出す。
同時に、零と相容れぬ関係になってしまうのも何となく予感してた。
私は枢センパイを恋慕いながらも、いつしか零のことを好きになっていた。
でも、私のこの恋は報われることは絶対にない。
純血種、玖蘭の血筋。
それが、ヴァンパイア界にとって、どれほどの存在価値を持っているのか
藍堂センパイから教えてもらったから、もう知らないなんて出来なくて…
純血種の血筋は、
決して絶やしてはならない。
ただでさえ、
数が少ない純血種。
血筋を絶やさぬ為にも純血種同士での婚姻が基本とされている。
だから、私は、枢センパイ…ううん、おにいさまと許嫁同士…。
「ん……あ……おに……さま……」
「……優姫」
おにいさまの牙が首筋から、ゆっくりと抜かれる。
ツーッと首筋を伝う血さえも舐めとるかのようにおにいさまの舌が這う。
「優姫…君の気持ちは分かるけど、分かっているよね?」
おにいさまの言葉に私は思わず視線をそらすけど、嫌でも感じる自分に向けられた視線。
「分かって…ます。零とは、もう…一緒に居れないこと…。おにいさまを愛さなければならないことも…」
「そう…それならいいけど、もう愚かなことしないで…でないと僕は何をするか分からないよ。
君のこととなれば、僕は理性を保てる自信が無いから」
「……はい…おにいさま」
私の髪を一房手に取り、髪に口付けながら言う。
おにいさまが何を言いたいか分かる。
愚かなこと…とは、自ら命を絶とうとしたことだろう。
純血種が簡単に死ねるはずもなく、おにいさまに見つけられて、こうして今生きている…。
零と一緒に生きれないなら
私の生きている意味はない。
そう思ってた…
けれど、今では零の為にも生きなければ…と思う。
私が生きていることで
零の生きる理由に繋がるなら…
もう傍にいられなくても
良いと思った…
たとえ、同じ道を歩むことが叶わなくても、私は…それでいい。
私は、おにいさまと共に永い永い時間を生きることを決めたから…
お願い…おにいさま…もう零に手出しはしないで下さい…。
玖蘭の血筋を絶やさない為に…
そして何より零とおにいさまに、これ以上私のことで苦しんで欲しくない…
それが私の出した答え…
*end*