「3分経過」

苦し気に熱い吐息を吐く。
重ね合わされた唇と唇。
交わる舌と舌。
飲み込みきれない唾液が唇の端から零れ落ちるのを口付けを交わしながら優姫は感じた。

「んぅっ…かな…め…おに…いさま」

漸く離れれば、互いを銀色が繋ぎ、プツリと切れる。
優姫は、そのまま枢の洋服を掴み、何とか自身を支えることが出来た。
今の優姫は枢の支え無くしては、自力で立ったままと言うのは危うい。
口付けの余韻で身体に力が入らないのだから仕方ないが。

「優姫。もう3分経過したよ?と言うよりね、10分くらいかな」
「え?……ええっ!?」

その言葉に優姫は、熱に浮かされた瞳を一転、慌てて枢から離れる。

「ごめんね…優姫が余りにも熱心に頑張ってるからなかなか言い出せなかったんだ」
「い、いえ……」

あからさまな嘘だと言うのに、優姫は直ぐに信じてしまう。
元々、枢を疑うことを余りしない無い子。
信用されてるのは嬉しいけど、少しは疑っても良いんじゃないかな、優姫。

「なに?まだしたい?」

ぷくーと頬を膨らました優姫に言えば、ボンッと頬を紅く染めた。

「違いますっ!おにいさまの意地悪」
「今更だよ…優姫」

そう…今更なんだ。

ひとり小さな声で呟くと、枢は『おにいさま!』と文句を言おうとする優姫を笑顔の下に黙らせ、
可愛らしい唇に口付けを落とした。


*end*