身長差
じーっ。
「…………?」
不意に視線を感じて暁は、視線を感じる方へ顔を向けた。
が、暁と視線が交われば相手は慌てて視線を逸らす。
「……優姫様、どうかなさいましたか?」
「えっ…あ、いえ…な、何でもないです。架院センパイ」
「はぁ……そうですか」
何でもないと言われれば、それ以上、問いつめる事など出来なかい。
何しろ相手は、つい最近まで人間として生きていたけれど実は純血種で玖蘭寮長の妹君。
そして今日は、その玖蘭寮長の命令で寮長が不在の間 優姫様をお守りするように言われている。
だから、こうして一緒に居るのだが…
じーっ…
「優姫様……」
「へ?あ…スミマセン…あのっ……架院センパイって枢センパイより身長高いですよね」
「は?まあ…言われてみれば、そうですが…」
それが、どうしたのですか?
暁に言わせれば、そうなのだが。
「あ…別に変な意味じゃないですよ。私、身長低いから…その…羨ましくて…」
吸血鬼達は、女性も含め皆身長が比較的高い。
吸血鬼に目覚めた優姫は髪は伸びはしたものの身長は以前と殆ど変わらなくて…
周りは長身のものばかりだからこそ余計に気になるのだろう。
「優姫様も、そのうち身長伸びますよ」
「架院センパイ…そうですよね。伸びますよね!私、今日から牛乳たくさん飲んで高くなりたいです」
ありがとうございます。
善は急げって言いますし、私今から飲んできますと笑顔で走っていく優姫。
残された暁は枢に優姫を守るよう言われていたのだけど、暫くその場所から動けずにいた。
どうしてって…
聞くのは野暮ですよ?
でも、あえて言うなら彼女の無垢なスマイルにやられたわけなんです。
*end*