新たな決意

『とても強くて 綺麗な おにいさま…何故、私なの?』

何故、私を求めてくれるの?
何故、おにいさまに対して酷いことをしている私を傍においてくれるの?
兄妹…だからですか?
純血種だからですか?
それとも許嫁だから…―――?

でも―…どんなに頑張って努力しようと、おにいさまに釣り合えるまでになれる自信がない。
もし、なれたとしても、それは長い長い時間の果てにだと思う。
それに…私は…零のことを…この先、ずっと忘れられない気がする。
零と過ごした時間は、4年とちょっと…
たった4年…4年も…4年だけ…

捉え方は様々だけど、今も私の心に存在するおにいさまへの恋心とは違う零への想い……。
断ち切る術を私は持たない。
持てない…―――
ねぇ…おにいさま?
おにいさまが私のこと好いて求めて下さってること…本当に嬉しい…
でも、私は、それに対して何も返せるようなものを持って居ないのが悔しいの…
けじめだと言われて気がついたら私はおにいさまの首筋に牙を立てて、血を啜っていた。
と、同時に…

はらり

零れ落ちる雫に気づく。
おにいさまの血ではない、自分から流れ出た透明な雫。
何故…涙を流しているのか自分でも分からなくて…
ただ、気になったのは…おにいさまの気配を感じたような気がしたあの扉のこと。

『あの扉の向こうは、なに?』

そう問うた私。
おにいさまならご存知だと思ったから。
だけど、おにいさまは私を抱きしめるだけで答えてはくれなかった。
でも、聞かずともこれだけは言える…
縋るように抱きしめられ、
それでいて寂しそうな表情からその質問の答えを求めてはならない…って……――
だから私は答えを求めません…
もう…忘れよう…
私には私のしなければならないことが有るから。
おにいさまを抱きしめ返しながら私は自分自身に新たな決意を誓う。


*end*