すもーる

宵闇が迫る頃、起きたら…再び有り得ない光景が部屋に広がっておりました。
部屋は、いつも通り。
目の前には、おにいさま。
あえて言うならば私が変わった…と言うことくらい

「…………ゆう……き?……それは、一体どうしたんだい?」
「……おにいさま…あの……」

どうしたと聞かれても答えられるはずもない。
むしろ聞きたいのは私の方だもの。

「起きたら……こう…なってたんです…けど……」
と、言って自分の身体を見下ろす。

そこにはブカブカの服を纏った5歳くらいの少女。
つまり、起きたら身体が縮んでました…と言う状況。
全くもって心当たりはありません。

いや……ちょっと待って……
一人……思い当たるような…

「まさか……理事長……?」
「優姫?どういうこと?」
「えっと……昨日、理事長からお菓子貰ったんです。
最初は断ったんですけど甘くて凄く美味しいって言われて……」

妙にすすめてくる理事長に優姫は
仕方ないかな……と思いつつ貰い食べた。
その結果が、これだろうか。
いや、これなのだろう。

あのお菓子を食べたあと、食事をしたが普段と変わらなかったし…。

「それを食べたんだね…」
困った子だ…と枢は若干呆れ顔。

でも、それよりも僕の優姫にこんな真似をするなんて
黒主理事長…覚悟は出来てるんですよね?


「………おにいさま?」

不穏な空気を察してか優姫が不安げに見上げてくる。

「ああ、ごめんね、優姫。服を用意するから大人しく待っててくれるかい?」

それに対して枢は先ほどの黒いオーラは何処へやら、
優姫を安心させるように抱きしめながら微笑む。

「う、うん……」
「いい子だね…」

最後に頭を撫でて、枢は立ち上がる。
行かなければならない場所が有るから。
それは言わずもがな黒主理事長の所。

その日、理事長の絶叫が黒主学園に響きわたり、
偶然にも理事長室に居合わせた拓麻が語るには、
理事長室の窓ガラスが全部割れ、壁に深々と亀裂が入り、
おぞましい暗黒のオーラを放つ枢が居たとか。

それから数日、黒主理事長の姿が学園から消えて騒ぎになったと言うのは、また別のお話。

もちろん、優姫の身体が元に戻るまで
夜間部の授業が全て休講になりましたとさ。


おまけ

「優姫に変なものを食べさせないでくれませんか?理事長」

ミシッ
理事長室の机が抉れるも慣れたことなのか、理事長はヘラヘラしながら話す。

それにより、枢の機嫌が更に悪くなり温度が下がっているのだが
あえて気付かないふりをするかのように…。

「え〜?だって小さいゆっきー♂ツ愛いでしょ?」
「ゆっきー=H……理事長…優姫は僕の優姫です。
そういう事は僕に許可をとってからやって下さい」
「枢……そういう問題じゃ…」
一条……何か言ったかい?
(ブリザードが吹き荒れる…)

びくぅ…
「い、いや……何も言ってないよ……はははは……」
「そう……」