三ヶ所限定

ある日、どういう経路から、そうなったのか分からないけど、
おにいさまから携帯電話を渡された。

「おにいさま?」
「優姫にプレゼントだよ。君は、僕に黙って出かけるから居場所が直ぐに分かるように」

それは…先日、おにいさまに黙って拓ちゃんと
パフェを食べに行ったことを根に持ってるんですか!?
聞いても、おにいさまは笑うだけ。
否定しないってことは、肯定だと捉えて良いのかな…。

「……、でも…嬉しい。ありがとう、おにいさま」

にこり。
素直な気持ちを伝えた。

これで離れてても、みんなと話できると浮かれた私だったけど、
次におにいさまから言われた言葉で固まる。

「ああ、優姫。
いい忘れてたけどね、その携帯電話は僕と星煉と実家(悠と樹里)専用だから」
「………………ぇ」
「好きな時にかけて良いよ」
…と言われましても
おにいさま以外にかけられるの、レンと実家のおとうさま、おかあさまだけですか?
少ない…

「それ以外の人の所はだめだよ」

嫌なら携帯電話持たなくても良いよ?
優姫が離れて行かないよう四六時中ずっと居てあげる…
なんて言われてしまえば
我慢するしかなく…

「それで、良いです」
「そう…なら問題ないね」

にこやかに笑うおにいさまだけど、私には悪魔の笑みに見えた。
気のせいかなぁ。